「安全確実な保険選びを考える」

「保険はどこの会社でも同じです。私という人間を買ってください」先日、保
険のセールスの方にこんなことを言われたというお話を聞きました。

で、実際どこの保険会社でも保険は同じなのかと言うと・・
全然違います。確かに、昔は大蔵省のいわゆる「護送船団方式」により、どこ
の保険会社の保険も似たり寄ったりでした。

現在、金融の自由化や外国の保険会社の進出で、生命保険にはいろいろな面で
"差"が出てきています。今後、この差はもっと大きくなっていくでしょう。

今回は、各保険会社の保険商品比べ方、選び方についてお話します。

最後のメールセミナーとなりましたが、早速はじめましょう！


■予定率とは？
生命保険の保険料は、次の3つの予定率で決まります。これら3つの予定率は、
保険会社が予測して決めています。

（１）予定死亡率
どのくらいの人が死亡して保険金を払うことになるのか。

（２）予定利率
預かった保険料を運用してどれくらいの収益を出せるのか。

（３）予定事業比率
保険会社の社員の給料などの事業費がどれくらいかかるか。

このうち、予定死亡率については日本人の死亡率の見込みですから差はほぼな
いと見ていいでしょう。でも、予定利率と予定事業比率は各保険会社によって
差が出てくることが十分考えられます。

これにより、予定率による保険料の差が発生してくるわけです。

■配当の付き方
保険には、配当の付き方によって３つのタイプに分けることができます。

（１）有配当保険
毎年配当がつきますが、保険料は高くなります。最近は、利差配当タイプに
シフトしています。

（２）準有配当保険
利差についてだけ5年ごとに配当が付きます。予定利率だけを実際より低めに
設定して配当を出すしくみの保険です。

（３）無配当保険
配当はつきませんが、保険料が利差配当保険よりもさらに安く設定されていま
す。外資系の保険会社が扱っていることが多いです。

下に行くほど、保険料が安くなります。配当の付く有配当保険名は各保険会社
横並びですが、外資系保険会社が扱っている無配当タイプの保険は各社保険料
が違います。

現在のおすすめは、無配当保険です。有配当保険や準有配当保険に加入しても
配当が発生することがあまり期待できない状況なので。

■各保険会社の格付け

金融の自由化により、生命保険会社も破綻する時代になりました。こんな時代
には、何よりも保険会社の健全性を重視して保険を選ぶという方法もたいへん
理にかなっていると思います。

保険契約は長期間にわたりますから、途中で保険会社に破綻などされてはたい
へん困りますね。保障がまったくなくなるわけではありませんが、保障額が減
ったり、保険料が高くなったりします。

■格付け会社と格付けの読み方

保険会社の健全性を判断するのにもっとも便利なものは、スタンダード＆プ
アーズやムーディーズなどの"保険財務力格付け"です。

保険会社の健全性がわかりやすく記号で表されています。また、プロがしっか
りと分析した結果を公表しているので、ある程度保険会社による操作が可能と
言われるソルベンシー・マージン比率よりも信頼性が高いように思います。

格付けの読み方ですが、ＢＢＢ以上が安全圏とされています。ＢＢＢとＢＢの
差はたいへん大きく、逆にＡＡとＡＡＡの差はそれほど大きくありません。少
なくともＡ以上の評価の会社を選んでおくと安心です。

▼格付け会社リンク集
http://www.s-hoken.net/link4.shtml

■変額保険

変額保険は、各保険会社の資産運用力が試される保険なので、当然保険料に差
があります。変額保険に加入するなら、できる限り運用力のある保険会社から
保険に加入した方が得ですね。

また、変額保険は変動リスクがある金融商品です。加入する際には、そのリス
クについて十分理解してから加入する必要があります。保険会社の方に勧めら
れた場合でも、この点をよく考えて検討してくださいね。

■今回のまとめ

これだけいろいろな要素があると、どの保険を選べばいいのか本当に迷ってし
まいますね。そこで、保険選びのチェックポイントをご紹介しておきます。

（大前提）加入しようとしている保険が、あなたの目的に合っているか？
（１）格付け会社の格付けはＢＢＢ以上（できればＡ以上は欲しい）
（２）配当のタイプはどれか（今なら"無配当保険"がおすすめ）
（３）保険会社の態度はどうか（顧客サービスのしっかりした会社を選ぶ）

目的に合った保険を選ぶという大前提は抜きにして、もっとも重視すべきは、
やはり保険会社の安全性ですね。健全経営の保険会社を選びましょう。
また、医療保険など、各保険会社によって保障内容がかなり違う場合は、保障
内容が自分のニーズに合っているかどうかがとても大切な基準になります。